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質素イノベーションとしてのレゲエ [マネー]

レゲエはジャマイカという、経済的に見ると、顧みられない国で生まれた。
レゲエは、先進国のアメリカ黒人ではなく、遅れた貧乏な黒人の国ジャマイカで生まれた。

レゲエの発端は、ラジオから聞こえてくる遠い国アメリカからのR&Bだった。
電波の悪い場所で、それを必死にコピーし、彼らは娯楽に取り入れた。

彼らは踊ることが好きだった。キツく、希望の無い労働の後に酒を飲み、
綺麗な若い女性が尻を振りながら踊るのを見つつ、自分も踊れば、人生の苦役の
幾ばくかは霧散すると考えているはずだ(僕もそう考えるからね)

それから何年か時は流れた。彼らは大きいスピーカも自らの手で作り、週末ともなれば
それを盛り場に来るまで運び、サーカス式の移動ディスコを開催した。

そこで踊るための音楽を、彼らは競って作っていった。
ある聡明な若者は、日本の廉価なシンセサイザーを使って、打ち込みの
単純だが中毒性のある、リズムを創りだした。彼らはそれをリディムと呼んだ。

同一のリディムに様々な、音楽家が歌声や、トースティングと呼ばれる即興の
合いの手を入れるものが現れた。その合いの手は、人気をはくし、その合いの手
だけで、歌なしのレコードも作られるようになった。

そのリディムと、リズムに乗せた、韻が踏まれた、心憎い合いの手が、観衆に大いに
受けた。

①手作りのスピーカ
②先進国の人気曲のカバー
③同一の中毒性のあるオケ(リディム)
④そして、ひねりのあるトースティング

これがレゲエの4つの要素だ。これが80年代ごろ完成された。今でも健在だ。
なぜなら、完成度が高く、敷居が低いからだ。誰でも理解できるが、なかなか真似
できない。

イノベーションは、場末の場所で、誰からも顧みられない人々がひっそりと起こす。
それは、自己顕示欲のためではなく、自分自身のみみっちい生活が何ミリかでも向上
させるためにだ。

それだけだ
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